************************************* 「分子計算」 講演会 のお知らせ ************************************* 以下の要領で講演会を開きますのでご参加ください。 【日時】 2006年3月11日(金) 13:00〜 (3月10日公開シンポの翌日です) 【場所】 早稲田大学教育学部 (西早稲田キャンパス) 14号館 7階 717室 ( 地下鉄東西線早稲田駅 下車徒歩5分 ) 【講演者】 Dr. Andrew Adamatzky Professor of Unconventional Computing Faculty ofComputing, Engineering and Mathematical Sciences University of the West of England Bristol, UK. 【講演題目】 REACTION-DIFFUSION CHEMICAL COMPUTERS (反応拡散化学計算機) 【講演要旨】 この講演では“非線形化学反応(*)を用いた計算”という近年活発に研究が行 われているテーマについて紹介したい。反応拡散計算機は超並列計算デバイス であり、化学溶液中の各々の点(注:たとえるなら、反応槽が極めて小さなビ ーカーのようなものの拡散結合で作られているとした場合の各々の“ビーカー” )が、僅か数bitのプロセッサに対応し、それらプロセッサ間で化学物質の拡 散と反応が並列に生じる。反応拡散計算機では計算は濃度の揺らぎによる反応 波の分岐や相互作用(注:衝突して消えるなど)によって行われ、データと計 算結果は試薬の濃度分布や、局所的な濃度分布の揺らぎ(注:たとえば、螺旋 などのパターンが生じるという意)によりエンコードされる(**) 。 講演では過去10年の永きにわたり行ってきた研究:実験のデザイン、画像処 理デバイスのプロトタイプとしての反応拡散計算機のシミュレーション、経路 探索、ロボットナビゲーション、計算幾何、論理(学)、そして人工知能、な どについて紹介する。また、講演では理論と実験の基礎、最新の計算技術、実 験の方法、そして自然現象にヒントをうけた計算デバイスのハードウェアへの 実装などについて総合的に述べる。なかでもメインとするトピックスとしては; なぜ反応拡散計算なのか?並列性の諸問題、化学溶液を用いたセルラオートマ トン、反応拡散計算の計算モデル、計算幾何の諸問題の解法、最適化の諸問題 の解法、反応拡散デバイスを用いたロボット制御、反応拡散系のユニバーサリ ティ、プログラミングの方法、計算から感情へ〜反応拡散脳へ向けて、などが あげられる。 (*)非線形な媒体における反応拡散搬送波 traveling waves in reaction- diffusionnon-linear media” (注)線形波は“重ね合わせ”など線形系として振舞うのに対し、非線形波 では波と波とがぶつかると消滅したりするなど線形性が成り立たない (例 Belosov-Zhabtinsky反応) (**) 違った言い方をすれば、非線形化学反応で生じるパターンを「計算」 と読み替えたものが反応拡散法計算機といえるだろう。 【講演者紹介】 Dr.Adamatzkyはセルラオートマトン、反応拡散計算機、分散人工知能そして ロボットの研究を行っている。主な著書として "Identification of Cellular Automata"(Taylor & Francis, 1995), "Computing in Nonlinear Media and Automata Collectives" (IoP Publishing, 2001), "Dynamics of Crowd-Minds" (World Scientific Publishing, 2005), and "Reaction-DiffusionComputers" (Elsevier,2005). などがある。 http://uncomp.uwe.ac.uk/adamatzky/index.html ---------------------------------------------------------------------- 早稲田大学教育学部 横森 貴(14号館938室) 03-3202-8373